エホバの証人への伝道マニュアル③ 取り上げるべきテーマについて


エホバの証人への伝道方法③ 取り上げるべきテーマについて

エホバの証人への伝道における効果的なテーマ選びは、彼らの教理と聖書の教えの双方をよく理解していなければ、中々困難な課題です。その理由は、ものみの塔のリーダーである統治体が、巧みな方法を用いて信者を欺いているからです。多くのクリスチャンが、エホバの証人への伝道を試みた結果、話が平行線で終わるのはそのためです。

筆者は、どんなテーマがエホバの証人の教えを論破するのに効果的なのかを、専門家の方々の著作や、自身の実践的な経験を通して、およそ二年間に渡って研究をしてきました。そして、様々な失敗や成功を経た上で、ベストだと思えるテーマについて、複数の候補に辿り着いています。

本記事では、その研究と成果を簡潔にご紹介していきますので、是非今後の救出活動の参考としていただければ幸いです。

効果的なテーマの条件

複数のテーマを用意しておく

どんなテーマ・アプローチが効果的なのかは、相手のタイプによってある程度異なってきます。エホバの証人の中にも色々な人がいるからです。例えば、エホバの証人問題の専門家のウィリアム・ウッド氏は、効果的なテーマとして過去の予言の失敗を挙げていますが、そのテーマを話しても、さほど興味を示さない信者もいると証言しています。

同氏によれば、そのような方の多くは、組織の過去の歴史や教理には関心が低く、組織の中に自分の居場所があること、素晴らしい仲間がいることを重視しているので、彼らに対してはまた別のアプローチが必要である、とのことです。

ですから、様々なタイプの信者がいることを前提とし、予め複数のパターンを用意しておくことは、賢明な方法です。

再現性の高いテーマを抑える

一方、多くの信者に共通して用いることのできる、再現性の高いテーマがあることも事実です。そのテーマとは、「統治体への信頼」に関わるテーマです。

多くのエホバの証人は、統治体に対して大きな信頼を抱いており、その信頼こそが、彼らへの伝道を難しくしている主要な要因であることは、既に前の記事で説明した通りです。その結果多くの信者は、外部の人々の論理的で筋の通った説明よりも、統治体のおかしな説明の方を信じてしまうのです。

例えば筆者がこれまでに扱ったテーマで効果の薄かったものとして、三位一体や霊魂不滅*[1]に関係する聖句、エルサレムが没落した年代、144000人、神の子、などが挙げられます。これらの教えを論破するために数多くの聖句を挙げてみたものの、「統治体への信頼」が強いために、誤りに気づくことができない、ということが頻繁に生じたのです。(もっともこれらの問題を取り上げた時に、全てのエホバの証人が気づかない、というわけではありませんが、再現性の高いテーマとしては不十分であった、ということなのです。)

ですから、エホバの証人を論破するための効果的なテーマの条件とは、(1)統治体や組織の偽善を「明白」に明らかにし、その信頼を崩せるもの、(2)聖書から「明白」に論証できるもの、であることがわかります。そして、「組織の偽善」と、「教えの誤り」を同時に明白に論証できれば、より高い効果が期待できることは言うまでもありません。

なお、仮にその場で論破できたとしても、その後彼らの多くは過去の組織の出版物の説明を確認します。そして、その出版物の説明がよほどおかしなもので無い限り、組織の方を信じてしまうのです。ですから、JWを論破する側は、取り扱うテーマについて、組織の側が過去にどんな説明・弁明をしているのかも、事前に把握している必要があります。

取り上げるべきテーマ

以上の点を踏まえて、筆者がお勧めするテーマとは、具体的に以下のようなものとなってきます。なお、各テーマの具体的な取り上げ方については、テーマ名のリンク先のページにて、ご説明をさせていただきます。(★印が付いている項目は、上記のテーマの中でも、筆者が特にお勧めするものです。)

  1. 誕生日の否定★(検証済み)
  2. 十字架の否定★(検証済み)
  3. フリーメイソンとの関係(検証済み)
  4. 予言の失敗★★(検証済み)
  5. 聖書の改ざん★(検証済み)
  6. マインドコントロールの仕組みや危険性(未検証)
  7. エホバの証人にうつ病が多発する理由(未検証)
  8. エホバの証人の家庭崩壊の原因(未検証)

誕生日の否定:聖書だけを用い、最も簡単に、明白に論破が可能なテーマです。全てのクリスチャンに、覚えておくことをお勧めします。

十字架の否定:別途資料の用意が必要ですが、十字架の否定が誤りであること、統治体が偽善者であることを、明白に論証できるお勧めのテーマです。

フリーメーソンとの関係:ラッセル及びものみの塔の組織が、フリーメーソンの影響を明らかに受けていることを示すものです。正しく扱えば、良い効果を期待できます。

予言の失敗:ものみの塔にとってアキレス腱とも言えるテーマであり、数多くのハルマゲドンの予言の失敗と、それらに関する虚偽の説明のオンパレードです。エホバの証人問題の専門家の多くも、救出作戦においてこぞって用いる鉄板のテーマです。

聖書の改ざん:予言の失敗と並ぶほど、効果的なテーマの一つです。相手のJWにある程度の言語能力が求められますが、英語がそこそこわかる信者に対してであれば、極めて有効性があり期待ができます。また、改ざんと同時に、三位一体や霊魂不滅に関する教えの誤りを論破することも可能です。

6~8番目のテーマについて:組織の教理的な問題に関心を示さない信者に対して有効だと思われるテーマであり、先にご紹介したウッド氏が候補として挙げているものです。ただし、筆者の方では今のところ未検証ですので、詳細については今後それらの有効性が自身でも確認できた時に、取り上げていきたいと思います。

他にも、今後有効と思えるテーマが見つかれば、順次上記リストに加えていく予定です。読者の皆様の側でも、実践で効果的なテーマに関する情報があれば、是非お知らせいただければ幸いです。

統治体の任命の根拠を論破する

「任命」に基づく信者の思考パターン

上記でご紹介したテーマに加え、もう一つ大事な点は、「統治体の任命」に関するエホバの証人の認識です。彼らは、統治体が1919年にキリストによって「忠実で思慮深い奴隷」として正式に任命されたと心から信じているわけですが、最終的にこの認識を解除(論破)することが、脱会へ進むかどうかの重要な鍵となります。

なぜなら、たとえある教えを論破されることで、現役の信者が組織の過ちに気づいたとしても「統治体が神から任命されており、神からの漸進的な啓示はこの組織を通して与えられる」という認識が解けなければ、「いずれエホバが正される時が来るから、エホバを待とう」という考えになるからです。もっとも、そのような考えは、統治体が長い年月をかけてすべての信者に植え付けてきた思考パターンの一つでもあるわけです。

任命を論破する方法

まず、「1919年にキリストが統治体を唯一の思慮深い奴隷として任命した」という教え自体、間違いだらけの教理なのですが、任命を信じ込んでいる信者にそのことを聖書的に論じても、中々通じない可能性が高いです。そこで有効なのは、(1)別の重要な教えを論破するか、不正行為を明らかにすることであり、(2)そこで得た結論から「任命はあり得ない」という結論へ展開するのが、効果的なパターンの一つだと言えるでしょう。

重要な教えとは、三位一体・霊魂不滅・1914年などのことです。組織の教理構造上、統治体の任命はこれらの教えが正しいという前提に基づいていますので、論破されるようなことがあれば、必然的にその任命は崩れます。例として、イエス・キリストに関係する聖句の改ざん問題を取り上げ、三位一体を否定するものみの塔の教えを論破するのは良い方法です。

不正行為とは、予言の失敗や常習的な虚偽の説明、聖書の改ざんなどです。これらの不正行為は、どれも深刻な罪ですが、その罪を明らかにした上で、大小の論理を用い、次のように説明するのです。(以下の例は、予言の失敗から論破するケースです)

「エホバの証人の信者で、もしもこのような罪を犯し、かつ悔い改めない場合、その人が長老になることはできますか?また、信者として組織に留まることはできるのでしょうか?では、統治体の任命において重要とされる1914年~1919年の間、ラッセルやラザフォードは予言の失敗を繰り返したために、エホバから見れば、長老になることはおろか、破門にも値するような状況でした。そのような人を、エホバが「地上の代表者」として任命することはあり得るでしょうか?イエスが『多く与えられた者は多く求められる』(ルカ12:48)と語ったように、「地上の代表者」に求められる基準は、一般の信者や長老よりも遥かに高いはずです。」

以上は、予言の失敗を指摘する場合の論法ですが、同じような論法を、他の不正行為を明らかにする時も用いることが可能です。

論破のためのテクニック:

ここでは、エホバの証人を論破する時に、その会話をより効果的なものとするために使えるテクニックを、3つご紹介します。

先に重要な前提を確認しておく

この方法は、話の展開を予め予測し、重要な前提を確認しておくことによって、後で相手が言い逃れるのを防ぐ、というものです。

たとえば聖書の中には、「エホバの名において語られた予言が成就しなかった場合、その預言者は死ななければならない」(申命記18章20節)という警告があります。

そこでものみの塔は、過去の予言の失敗について、特定の年代を示唆したことをかろうじて認めつつも、それらの予言を「エホバの名において語ったわけではない」と言い逃れしています*[2]。そこで、予言の失敗のテーマを扱う前に、先にエホバの証人が「エホバの名によって語る民」であることを、確認しておくのです。

もう一つの例として、協会は、2017年11月のマンスリープログラム(JWブロードキャスティング)において、協会の出版物がいかに注意深く執筆されているかを説明しており、信頼性のある最新の文献を用い、著者の意図と文脈を踏まえながら正しく資料を引用し、読者に誤解を与える誤った記載をしないよう誠実に繰り返し確認をしている、と主張しています。

しかし現実には、十字架・予言の失敗・改ざん問題などにおいて、虚偽の説明・文献の悪引用・責任転換、などを繰り返しています。そこで、これらのテーマを扱う前に、先にマンスリープログラムの話題に触れ、組織の出版物がどんな基準で執筆されているのかを確認しておくのです。そうすることで、統治体の偽善を指摘する際に、その偽善がより際立った仕方で明らかになり、相手のJWは統治体が大嘘つきであることを明確に理解できるようになるのです。

なお、統治体の偽善を指摘することは極めて大切ですが、追求の基本的な対象が相手のJWにならないよう注意してください。なぜなら、ほとんどの信者には、「統治体に欺かれた被害者」としての側面があるからです。

「〇〇さんが、これまで気づかなかったのは仕方のないことだと思います。情報をコントロールされてきたわけですから。ただし、一度真実を知ってしまった以上、今後は良心に基づいて行動をする必要がありますね。エホバは真実を愛される神ですから。」

このように、適切なフォローを交えたバランス感覚のある言葉を投げかけることが大切です。

質問やたとえを用いる

イエスは、弟子たちや民衆を教えるときに、頻繁に質問とたとえを用いましたが、この方法は極めて効果的な方法であり、ものみの塔も度々その方法の有効性を出版物で説明しています。そこで、各テーマを扱う中で、この質問とたとえを上手に用いるなら、より高い効果を期待することが可能です。

たとえば、聖書の改ざん問題を指摘し、神の言葉を勝手に変更することが永遠の命にかかわる深刻な罪であることを説明したとします。(黙示録22:18-19)その上で、その聖書を用いて伝道をすることが何を意味するのかを理解させるために、次のようなたとえを用いるのです。

「たとえば、私が違法にコピーされたDVDを、そうとは知らずに販売をしていたら、犯罪者として捕まるでしょうか?」

この質問の答えは明らかであり「捕まる」となります。「知らなかった」という事実が、刑罰の重さを決める上で考慮されることは間違いありませんが、違法コピーを販売した時点で、刑法を犯したことにはなるのです。

このたとえを引き合いに出した上で、「違法にコピーされた新世界訳聖書を用いて伝道をするエホバの証人は、たとえ知らなかったとしても、いずれエホバの裁きの対象となるのではないか」と伝えるのです。その際、次の聖句も挙げると良いでしょう。

「しかし,理解していなかったために打たれるべきことをした者は,少なく打たれます」(ルカ12:48)

このような論理を展開すれば、相手のJWは、事の深刻さに気づき、脱会することを真剣に考えるかもしれません。

なお、「改ざんされた聖書に基づき、捏造されたイエスをふれ告げている」という点は、「彼らの活動をどのように考えるべきか」ということにおいて、重要な問題です。

身近な話題を取り上げる

「質問とたとえを用いる」と共通する部分ではありますが、身近なスキャンダルを取り上げるのも良い方法です。例えば以前に、森友学園問題に関わる公文書改ざん事件がありましたが、これはものみの塔協会による聖書の改ざんや、出版物における虚偽の記載・文献の悪引用と同列に置かれる罪です。

また、少し前に日体大の反則タックルの問題がありますが、監督やコーチによる責任回避・責任転換などの偽善的対応が、大きな問題へと発展させました。このような対応は、予言の失敗をした時の統治体による責任回避・責任転換の対応と実によく似ています。

話し合いの中で、これらのスキャンダルと、統治体の偽善的な対応との共通点を語ることにより、事の重大さを認識させるのは良い方法だと言えるでしょう。

脚注

[1] この時は、三位一体や霊魂不滅に関して、改ざん問題を効果的な形で取り上げることができませんでした。

[2] 『目ざめよ!』1993年3月22日号、4頁


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