10. 寄付制度(献金)と会計報告|エホバの証人とはーものみの塔の実態に迫る
自由献金制
エホバの証人の集会では、原則として自由献金制*[1]が採用されており、献金箱が回ってくることはありません。各王国会館には、目立たない場所に寄付箱が置かれており、献金を希望する信者は、各自心に決めた額を自由に献金します。寄付箱には大抵二種類あり、「地元の会衆の費用」と「世界的な業」に分かれます。
なお、かつてはエホバの証人の出版物は有料*[2]で販売されていましたが、1990年から完全無料で配布されるようになり*[3]、現在でもその状態は続いています*[4]。
「しかしこの点について言えば,惜しみつつまく者は少なく刈り取り,惜しみなくまく者は豊かに刈り取るのです。7 各自いやいやながらでも,強いられてでもなく,ただその心に決めたとおりに行ないなさい。神は快く与える人を愛されるのです。」(コリント第二9:6,7)
▶参考:『今の時代にだれがエホバのご意志を行なっていますか』第24課
資金運用と会計報告
寄付金を含める資金の運用方法は、各会衆単位では毎月会計報告がなされており、高い透明性が保たれています。ところが、日本支部を含める各国の支部や、世界本部における会計報告が発表されることは一切ありません。その理由は、組織にとって都合の悪い情報を隠すことであると考えられます。
ものみの塔協会は、「世界的な業」のための寄付金が、「世界的な聖書教育活動」のために用いられると信者に説明しています。しかし、そのような目的と称して集まる莫大な資金は、実際には「石油ガス発掘利権、株式などの様々な投資」や、「児童性的虐待裁判などの賠償金の支払い」にも用いられています。
投資について:例を挙げれば、米国の主要銀行であるJ.P.Morganの投資信託において、その大口投資家のリストに「ものみの塔聖書冊子協会ペンシルバニア」(ニューヨークのものみの塔世界本部)が名を連ねています*[5]。資産内容の主な内訳は、石油ガス発掘利権、株式、国債等の有価証券などであり、投資額の合計は日本円にして100億円以上にもなると想定されます。
裁判の賠償金について:近年ものみの塔協会は、世界各国で生じている児童性的虐待裁判の賠償金の支払いに追われており、そのための費用として寄付金が用いられている現状があります。最も有名な判例は、キャンディス・コンティーという元エホバの証人の女性による訴えであり、加害者の男性信者側に命じられた賠償金280万ドル(22億円)の内、40%(8億8000万円)を、ものみの塔協会が支払うことになりました。加えて裁判所は、その後の2年間、協会の資産(約800億円相当)の凍結も命じています*[6]。
このように、「世界的な聖書教育活動のみの目的」で集められた寄付金が、他のビジネスや賠償金の支払いにも多く用いられている事実は、組織にとって隠したい「不都合な真実」であるため、信者が気づくことの無いよう情報のコントロールがなされているのが実態です。
記事一覧:エホバの証人とは?
脚注
[1] ただし、最近の組織は財政難の状態であることから、「神に用いられる組織からの寄付要請の手紙」によって、各会衆に対して半強制的な寄付の要求がよくなされている、という現状があります。
[2] 名目上は寄付をもらって配布物を提供する「寄付による提供」でしたが、配布物にはそれぞれ異なる金額が定められており、その実質は「販売」でした。
[3] 有料販売制から、完全寄付制へ移行した理由については、当時の米国内において、宗教団体が販売する配布物にも課税されるようになった、という法的な問題が関係している可能性があります。(参照:ものみの塔の裁判記録)
[4] ただし、出版の頻度やページ数が近年著しく減少してきていることから、組織の経済的状況が厳しくなっている様子が伺えます。
[5] このデータは、米国の証券取引委員会のデータベースより判明します。→J.P. MORGAN MUTUAL FUND TRUST。なお、ものみの塔協会の資産運用に関する詳細は、こちらのサイト「ものみの塔のビジネスと資金フロー」にて説明されています。
[6] 『真理のみことば伝道協会』2012年8月18日、「ものみの塔に致命的なダメージを与える判決」
脚注5の「ものみの塔のビジネスと資金フロー」のリンク先が消えております。残念!
サイト自体が消えてしまったようですね!残念です。
このようなコンテンツは組織内にいる者にとっては知らされることはありませんので貴重です!
ありがとうございます!
組織の中にいると、外部の情報が遮断されるので、気付くことができないですね。