千年王国では誰が治め、誰が統治されるのか?

大群衆が新しい契約の当事者であり、王なる祭司であることを聖書から明らかにすると、次にエホバの証人が抱きやすい疑問は、「では、大群衆が治める側なのであれば、千年王国は誰が統治されるのか」というものです。大群衆を「治められる側」として理解していたエホバの証人にとっては、このような疑問を抱くのは至極当然のことだと思います。
そこで今回の記事では、「千年王国では誰が治め、誰が治められるのか?」という点を聖書から簡潔に説明したいと思います。
千年王国では誰が治めるのか?
千年王国はある
まず、ハルマゲドンの戦いの後に、キリストが治める千年王国があることについては、聖書が言っている通りです[1]。エホバの証人も基本的にその通りに理解していると思います。そしてその千年王国では、キリストと共に王として治める人々がいます。彼らは第一の復活にあずかる者、とも呼ばれます。
「第一の復活にあずかる者は幸いな者,聖なる者である。これらの者に対して第二の死は何の権威も持たず,彼らは神およびキリストの祭司となり,千年のあいだ彼と共に王として支配する。」(啓示20:6)
では、その王なる祭司のグループは誰なのか、と言う点をこれから明らかにしていきますが、聖書の言葉に基づき、次のようなグループに分けられると思います。大前提としては、全てのグループはキリストの血によって贖われた人々です。
グループ1:十四万四千人
最初のグループは144000人です。彼らは大患難時代の直前に証印を押され、患難時代を生きて通過しながら、どこかのタイミングで天に挙げられます。
「こう言った。『わたしたちが,わたしたちの神の奴隷たちの額に証印を押してしまうまでは,地も海も木も損なってはならない』。 4 そしてわたしは,証印を押された者たちの数を聞いたが,それは十四万四千であり,イスラエルの子らのすべての部族の者たちが証印を押された。」(啓示7:3~4)
「そして彼らは,み座の前および四つの生き物と長老たちの前で,新しい歌であるかのような[歌]を歌っている。・・・」(啓示14:3)
グループ2:復活・携挙されるクリスチャン
第一テサロニケ4章の後半を読むと、終わりの時にキリストの空中再臨が起こり[2]、その際に最初にキリストにある死者が復活し、続いてその時に地上で生きているクリスチャンが取り去られ(引き上げられ)、これら二つのグループが空中まで引き上げられ、栄光の姿になって主と共になります。(第一コリント15章でも詳しく説明されているので合わせてお読み下さい)
人数の比率で考えると、これらのグループが、王なる祭司として地を治めていく主要なグループになるのでしょう。
「主の臨在[の時]まで生き残るわたしたち生きている者は[死んで]眠っている者たちに決して先んじないということ,これが,エホバの言葉によってわたしたちがあなた方に伝えるところなのです。主ご自身が号令とみ使いの頭の声また神のラッパと共に天から下られると,キリストと結ばれて死んでいる者たちが最初によみがえるからです。 17 その後,生き残っているわたしたち生きている者が,彼らと共に,雲のうちに取り去られて空中で主に会い,こうしてわたしたちは,常に主と共にいることになるのです。」テサロニケ第一 4:15~17)
グループ3:二人の証人
二人の証人は黙示録11章に登場する人々で、粗布を着て1260日の間、預言する預言者たちです。彼らは獣に殺されますが、その後復活して天に挙げられます。なお、エホバの証人は「二人の証人」を象徴的に解釈して聖書研究者たちに適用しています(1900年代初頭のエホバの証人の呼び名)が、預言的には将来のことであり、実際の二人の預言者の登場を意味すると思います。
「3 そしてわたしは,わたしの二人の証人に,粗布を着て千二百六十日のあいだ預言させる」。・・・
7 そして,彼らが自分たちの証しを終えた時,底知れぬ深みから上る野獣が彼らと戦い,彼らを征服して殺すであろう。・・・
11それから三日半の後,神からの命の霊が彼らに入り,彼らは自分の足で立ち上がった。そのため,大いなる恐れが彼らを見ている者たちに臨んだ。 12 そして彼らは,天から出る大きな声が,「ここに上って来なさい」と自分たちに言うのを聞いた。それで彼らは,雲のうちにあって天へ上って行き,敵たちは彼らを見た。」(啓示11:3~12)
グループ4:患難時代中に殉教するクリスチャン
黙示録6章、13,14章、19章を読むと、患難の中でたくさんの殉教者が出ることがわかります。彼らは殉教という厳しい苦難を通りますが、千年王国開始前に復活し、キリストと共に王として治める、と預言されています。
「また,彼が第五の封印を開いた時,わたしは,神の言葉のために,またその行なっていた証しの業のためにほふられた者たちの魂が祭壇の下にいるのを見た。 10 そして,彼らは大声で叫んで言った,「聖にして真実な,主権者なる主よ,あなたはいつまで裁きを控え,地に住む者たちに対するわたしたちの血の復しゅうを[控えて]おられるのでしょうか」。 11 すると,白くて長い衣がその一人一人に与えられた。そして彼らは,自分たちが[殺された]と同じように殺されようとしている仲間の奴隷また兄弟たちの数も満ちるまで,あとしばらく休むように告げられた。」(啓示6:9〜11)
「またそれには,野獣の像に息を与えることが許された。それによって野獣の像は話すようになり,また,野獣の像をどうしても崇拝しない者たちをみな殺させるようにするのである。」(啓示13:15)
「またわたしは,[数々の]座を見た。それに座している者たちがおり,裁きをする力が彼らに与えられた。実に,イエスについて行なった証しのため,また神について語ったために斧で処刑された者たち,また,野獣もその像をも崇拝せず,額と手に印を受けなかった者たちの魂を見たのである。そして彼らは生き返り,キリストと共に千年のあいだ王として支配した。」(啓示20:4)
以上の4グループが、千年王国において主と共に治める人々だと理解できます。
千年王国では誰が統治されるのか
殉教しないで患難時代を生き残る人々
では次に、千年王国において治められる人々は誰なのでしょうか?この点は、聖書の言葉からはっきりしない部分もあるように思えるのですが、読み取れる範囲で説明をしてみます。もしかしたら間違っている部分もあるかもしれませんが、ご自身でも聖書の言葉と向き合い、解釈の参考にして頂ければ幸いです。
まず、千年王国で治められる人々の多くは、「携挙後の患難時代中にキリストを信じる人々の中で、殉教をしないで生きて地上を通過する人々」だと思います。なぜそう言えるかというと、理由の一つとしては、上記の定義に当てはまる人々は、「治める人々」としてリストアップした4つのグループに該当しません。ですのので、消去法で考えるとこのような答えになると思います。
彼は神を信じる人々で、患難時代の迫害中に獣の刻印を受けず、かつ殉教もしなかった人々です。彼らは厳しい時代の中でも信仰を守り通す人々で、「羊と山羊の裁き」において羊の側に立ち、千年王国を受け継ぎます。
「人の子がその栄光のうちに到来し,またすべてのみ使いが彼と共に[到来する]と,そのとき彼は自分の栄光の座に座ります。 32 そして,すべての国の民が彼の前に集められ,彼は,羊飼いが羊をやぎから分けるように,人をひとりひとり分けます。 33 そして彼は羊を自分の右に,やぎを自分の左に置くでしょう。 34 「それから王は自分の右にいる者たちにこう言います。『さあ,わたしの父に祝福された者たちよ,世の基が置かれて以来あなた方のために備えられている王国を受け継ぎなさい。』」(マタイ25:31~34)
おそらくですが、厳しい患難時代の後ですので、生き残る人々はそんなに多くはないかもしれません。しかし千年王国が始まり、かつてない祝福の中をこれらの人々が歩み出すと、子孫は瞬く間に増えていき、千年王国が終わる頃には、その子孫たちが世界を埋め尽くしていることでしょう。
この人々は、朽ちない栄光の体は持っていないので、主を信じる信仰によって救いは得ますが、千年後の救いの完成の時までの間は、義の性質の確定はなく、朽ちない栄光の体を持つことはないでしょう。その理由は、1000年の後にサタンが解放されると、その時に地上にいる多くの人が、主に反逆するようになるからです。
「さて,千年が終わると,サタンはすぐにその獄から解き放される。彼は出て行って,地の四隅の諸国民,ゴグとマゴグを惑わし,彼らを戦争のために集めるであろう。それらの者の数は海の砂のようである。」(啓示20:7)
患難時代の最後に民族的改心をするユダヤ人
ハルマゲドンを地上で生き残る人々として、ユダヤ人の存在を欠かすことはできません。彼らは患難時代の中で厳しい迫害を受けますが、神の守りの中である程度の数が生き残ります。そして、彼らが最終的にイエスを拒絶してきた罪を民族的に悔い改め、イエスを呼び求めることが主の地上再臨をもたらす導線となるのです。
「あなた方に言いますが,『エホバのみ名によって来るのは祝福された者!』と言うときまで,あなた方は今後決してわたしを見ないでしょう」(マタイ23:39)
イエスは、ユダヤ人が「エホバのみ名によって来るのは祝福された者!」と言うときまでは再び来ることはありません。逆に言えば、ユダヤ人が将来的に、イエスに対して「エホバのみ名によって来るのは祝福された者!」と言う時が来るなら、その時がユダヤ人が再びイエスを見る時〜つまりイエスの地上再臨の時となるのです。
ゼカリヤ12章にも参考となる預言があります。
「その日、主はエルサレムの住民をかくまう。その日、彼らの中のよろめき倒れる者もダビデのようになり、ダビデの家は神のようになって、彼らの先頭に立つ主の使いのようになる。その日、わたしはエルサレムに攻めて来るすべての国々を根絶やしにしよう。わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと嘆願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見て、ひとり子を失って嘆くかのように、その者のために嘆き、長子を失って激しく泣くかのように、その者のために激しく泣く。」(ゼカリヤ書 12章8~10節、聖書 新改訳2017)
その後、千年王国の時代を通じて、神はエルサレムを中心とし、イスラエル民族の栄光を回復させます。旧約聖書の預言者たちが繰り返し預言してきたイスラエルの栄光の回復は、千年王国の中で完全な成就を見ることになるのです。
「そして,末の日に,エホバの家の山はもろもろの山の頂より上に堅く据えられ,もろもろの丘より上に必ず高められ,すべての国の民は必ず流れのようにそこに向かう。 3 そして多くの民は必ず行って,こう言う。「来なさい。エホバの山に,ヤコブの神の家に上ろう。[神]はご自分の道についてわたしたちに教え諭してくださる。わたしたちはその道筋を歩もう」。律法はシオンから,エホバの言葉はエルサレムから出るのである。」(イザヤ2:2~3)
「兄弟たち,あなた方が[ただ]自分の目から見て思慮深い者とならないために,わたしはあなた方がこの神聖な奥義について無知でいることがないようにと願うのです。すなわち,諸国の人たちが入って来て[その人たちの]数がそろうまで,感覚の鈍りがイスラエルに部分的に生じ, 26 こうして全イスラエルが救われることです。まさに書かれているとおりです。『救出者がシオンから出て,不敬虔な習わしをヤコブから遠ざける。 27 そして,わたしが彼らの罪を取り去る時,これが彼らに対するわたしの契約である』」(ローマ11:26~27)
「『これこそ,わたしがそれらの日の後にイスラエルの家と結ぶ契約だからである』と,エホバはお告げになる。『わたしは彼らの内にわたしの律法を置き,彼らの心の中にそれを書き記す。そして,わたしは彼らの神となり,彼らはわたしの民となるであろう』。 34 『そして,彼らはもはや各々その友を,各々その兄弟を教えて,「エホバを知れ!』とは言わない。彼らはその最も小なる者からその最も大なる者に至るまで,皆わたしを知るからである』と,エホバはお告げになる。『わたしは彼らのとがを許し,彼らの罪をもはや思い出さないからである』。」(エレミヤ31:33〜34)
その他の参考情報
千年王国の詳細については、ハーベストタイムが以前に行ったセミナーでとても詳しく説明されています。根拠とされるたくさんの聖句もリストアップされていますので、解釈の参考にされると良いと思います。
聖書は千年王国について 何を教えているか千年王国(セミナー動画)
聖書は千年王国について 何を教えているか(PDF)
以下の記事は、当サイト管理人が管理している別のサイト True Arkにて千年王国について簡単にまとめた記事です。併せて紹介させていただきます。
脚注
[1] なお、千年王国をどう理解するかについては、プロテスタントの中では見解が分かれます。字義通りに将来に千年王国が来る、と理解する立場と、無千年王国説、と言って字義通りに理解しない立場もあります。聖書そのものを読んでいくと、字義通りの理解の方が自然だと思います。
[2] 携挙が起こる時期については、患難時代の前なのか、患難中なのか、患難後なのか、という議論があります。当サイト管理人は、患難時代前だと理解しています。詳細については、「携挙の真実」をお読み下さい。






