キリストの神性(三位一体)の聖書的根拠を示す|エホバの証人への伝道方法


キリストの神性(三位一体)の聖書的根拠を示す|エホバの証人への伝道方法

筆者は過去に、このテーマについて現役のエホバの証人と何度も会話をしたことがありますが、キリストの神性が明らかに示されている聖句を取り上げても、「聖書の全体を見る必要がある」というような返し方をされることも多く、話は平行線を辿りました。

ですから、三位一体に関するテーマにおいて、より確実な方法で彼らの目を開かせるためには、どうしても原語の意味にまで遡ること、「改ざん問題」にまで踏み込むことが不可欠であり、加えて「わかりやすい明白な改ざん箇所」を示す必要があります。ただし、必ずしもギリシア語の体系的な学びが必要とされるわけではなく、鍵となる箇所の意味について、事前に把握しておけば大丈夫です。

なお、本記事でご紹介するサンプルは、駅前のエホバの証人に声をかける場合のような「短期戦」を想定していますが、より長い時間をかけてじっくり話し合える場合は、キリストの神性を聖書全体から示す方法も有効であると思います。

解説

◆エホバの証人のアプリ「JW Library」では、新世界訳聖書の底本であるギリシャ語本文と、英語の字義的な逐語訳とを比較できる聖書「ギリシア語聖書王国行間逐語訳」を閲覧することができます。その場での会話に、より大きな説得力を持たせるなら、事前にスマホにアプリを入れておき、伝道の際にその場で見せながら説明することができます。

◆ギリシア語の原語の意味を確認する時は、新約聖書用のギリシア語辞典をお調べになることをお勧めします。(他にも色々なタイプのギリシア語辞典が存在するため)。大抵の場合、図書館等で借りることが可能ですが、ネットでも販売されています。個人的には、「織田昭『新約聖書 ギリシア語小事典』(2002)」がお勧めです。

なお、改ざん問題の論破方法は、ウェブサイトの方でも詳しくご説明していますので、合わせてご参照下さい。(記事タイトル:「新世界訳聖書の改ざん問題を明らかにする」)

伝道サンプル

【CH】こんにちは、雑誌を一部見せてもらってもいいですか?

【JW】はい、もちろんです。エホバの証人の雑誌をご覧になったことはありますか?

【CH】はい、ありますよ。実は、私は教会に通うクリスチャンなんですが、エホバの証人はよく訪問にも来られますし、「新世界訳聖書」も、全部ではありませんが、一部読んだことがありますよ。

【JW】へぇ、そうでしたか。新世界訳聖書は、いかがでしたか?

【CH】そうですね。普通に読める聖書でした。ただ、何箇所か気になった点もありましたが*[1]

【JW】そうですか、どんな点でしたか?

【CH】例えば、第一ペテロ1章です。今確認できますか?確か、11節です*[2]

【JW】お待ち下さいね。 「彼らは,自分のうちにある霊が,キリストに臨む苦しみとそれに続く栄光についてあらかじめ証しをしていた時,それがキリストに関して特にどの時期あるいはどんな[時節]を示しているかを絶えず調べました。」

【CH】ここで、「自分のうちにある霊」とありますが、この霊は預言者にメシア預言をさせた霊なので、「聖霊」を指していることがわかると思います。

【JW】そうですね。

【CH】しかし、原文では「自分のうちにあるキリストの霊」となっているんです。他のあらゆる聖書では、原文の通り「キリストの霊」と訳されていますが新世界訳聖書だけ「キリスト」が省かれているんです。参考までに、こちらをご覧いただけますか? ・・(自分の聖書を開く。スマホのアプリ等で見せれると良い)・・*[3]

【JW】確かに、そうなっていますね。。

【CH】ペテロはここで、「聖霊」のことを「キリストの霊」と読んだわけです。ということは、聖書の中で、「神の霊・エホバの霊」となっている箇所は、全て「キリストの霊」に置き換えることもできる、ということです。つまり、ペテロは、「エホバ」と「キリスト」を同一視していたことになりますね。*[4]

【JW】えぇ、まあそうとは言い切れないと思いますが。

【CH】聖書に書いてある通り、神の言葉を勝手に削除したり加えたりすることは許されないことですよね?おそらく、キリストの神性を否定するものみの塔協会にとって、よほど不利な聖句だと判断し、削除せざるを得なかったのではないでしょうか?

【JW】この点は初めて確認しましたので、後で調べてみたいと思います。

【CH】他にも気になった箇所かありましたので、簡潔に紹介させていただきますね。使徒3:15もお開きいただけますか?

【JW】はい、今開きますね。「一方では,命の主要な代理者を殺しました。しかし神はこの方を死人の中からよみがえらせたのであり,わたしたちはその事の証人です」

【CH】ここでの「命の主要な代理者」とはイエスのことですが、「主要な代理者」という訳される言葉は、ギリシア語では「アルケイゴス」です。「創始者・君主」と訳されるべき言葉で、いずれの場合も第一原因を意味します。「代理人」という意味は全くありません。つまり、「社長」と書いてある箇所を、「社長代理」に変更したようなものです。ここでも原語の意味が完全に変えられてしまっているのです*[5]

【JW】、、よく勉強されているんですね。。

【CH】おそらく、エホバの証人はイエスを創造主ではなく、被造物だと理解していますね。

【JW】私たちはイエスを被造物だと理解していますが、他の全てのものがイエスを通して創造されたことは信じていますよ。

【CH】ということは、イエスが命の創造主だとは理解していない、ということですね?

【JW】えぇ、その通りです。

【CH】その理解が、この聖句の意味を変えてしまった原因だと思います。もしもイエスが被造物なら、イエスは「命の創始者」とはならないからです。しかし、聖霊に満たされたペテロは、イエスを被造物ではなく、「命の創始者」だと語った。だから、ものみの塔の教理に合わせるためには、「創始者」ではなく、「代理者」という言葉に改ざんせざるを得なかったのではないでしょうか?

【JW】最初の聖句と合わせて、後で調べてみたいと思います。

【CH】他にもたくさんの問題点があるのですが、今日はこのあたりで止めておきますね。各聖句のギリシア語がどのように書かれているか、確認する方法はご存知ですか?確か、エホバの証人のアプリで、ギリシア語の本文の確認が可能な「行間逐語訳」というのがあるのを聞いたことがあります*[6]

【JW】よくご存知でらっしゃいますね。読んだことはありませんが、行間逐語訳の存在は知っています。

【CH】あと、ギリシア語の意味を調べる時は、図書館に行くと、聖書のギリシア語辞典が置いてあると思います。そちらも確かめてみて下さいね。

【JW】教えていただきありがとうございます。

【CH】聖書の改ざんは、列記とした「背教行為」*[7]ですから、これを機に、ものみの塔のリーダーが本当に聖書に従っているかどうかを、ちゃんと調べてみる必要がありますね。

補足事項

聖書の改ざんに対する神の警告

「わたしは,すべてこの巻き物の預言の言葉を聞く者に証しする。これらのことに付け加える者がいれば,神はこの巻き物に書かれている災厄をその者に加えるであろう。19 また,この預言の巻き物の言葉から何かを取り去る者がいれば,神は,命の木から,また聖なる都市の中から,すなわち,この巻き物に書かれているものから彼の分を取り去られるであろう。」(啓示22:18~19)

聖書全体は神の霊感を受けた書物なので、上記の警告は、当然黙示録だけでなく、他の全ての書簡にも適用できます。改ざんは、神が啓示した真理そのものを変更しようとする行為であり、聖書的にはとても重い罪に分類されると言えます。余裕があれば、上記の聖句と共に、この点を説明できると良いでしょう。

第一ペテロ1:11において想定される反論への答え方

該当の聖句を新世界訳聖書のアプリで開くと、参照資料の欄に、「・・キリストの霊が・・」と一応表記されていますので、その点を引き合いに出し、「参照欄でちゃんと説明されている」と返される可能性もあります。そのような場合は、「参照欄に記載されていても、肝心の翻訳された文章から『キリスト』が削除されているのであれば、改ざんであることに変わりはありません」と説明することができます。

参照資料

使徒315

「ギリシア語聖書王国行間逐語訳」の使徒3章15節では、ちゃんと「Chief leader」と訳されているが、肝心の新世界訳聖書では、「Chief agent」「命の主要な代理者」に変更されてしまっている。

「一方では,命の主要な代理者を殺しました。しかし神はこの方を死人の中からよみがえらせたのであり,わたしたちはその事の証人です。」(新世界訳)

「whereas you killed the Chief Agent of life. But God raised him up from the dead, of which fact we are witnesses.」(NWT)

いのちのを殺してしまった。しかし、神はこのイエスを死人の中から、よみがえらせた。わたしたちは、その事の証人である。」(口語訳)

使徒3章15節

ペテロ第一111

「ギリシア語聖書王国行間逐語訳」の第一ペテロ1章11節では、ちゃんと「spirit of Christ」(キリストの霊)と訳されているが、肝心の新世界訳聖書では、「Christ」が削除されてしまっている。

「彼らは,自分のうちにあるが,キリストに臨む苦しみとそれに続く栄光についてあらかじめ証しをしていた時,それがキリストに関して特にどの時期あるいはどんな[時節]を示しているかを絶えず調べました。」(新世界訳)

「彼らは、自分たちのうちにいますキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光とを、あらかじめあかしした時、それは、いつの時、どんな場合をさしたのかを、調べたのである。」(口語訳)
第一ペテロ1:11 キリストの霊

 脚注

[1] エホバの証人の教えなどについて「気になっている点はある」「同意できない点がある」と話すと、大抵の場合「どんな点が気になっていますか」と尋ねてきてくれますので、スムーズに本題に入れます。この際、多くのエホバの証人は、「自分たちは真理を持っているのだから、大抵の疑問には聖書や組織の出版物から答えられる」と考えています。

[2] 最近の傾向として、ほとんどのエホバの証人は、伝道の際にタブレットを持参し、その場ですぐに聖書を開けるようにしています。

[3] 聖書を持っていればその場で出しても良いですが、「準備している感」を出し過ぎると、かえって相手は警戒するかもしれません。スマホ等で手軽に出せれば、それが最も自然な流れとなるはずです。

[4] このように、ただ改ざん点を指摘するだけでなく、「なぜ改ざんする必要があったのか」という点まで説明すると、相手の証人に問題点をより深く理解させることができます。

[5] ギリシア語「Archegos」は、新約聖書の中で4回登場し、全てイエスに対して用いられています。(使徒3:15、5:31、ヘブル2:10、12:2)。新世界訳聖書では、全て「主要な代理者」と意味を変えて訳しています。

[6] 会話の最後で、改ざん問題を調べる方法を案内している理由は、多くのエホバの証人がその方法を知らないからです。相手の証人が、誤りに気付くための情報にスムーズに辿りつくことができるよう導いてあげる必要があります。

[7] エホバの証人は「背教」というキーワードに非常に敏感であり、「背教者」を退けるよう厳重に指導されています。ですから、そのような指導をしている組織自身が、実は背教的な行為を行っている、と認識させることができると、良い効果を期待できます。


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